都会のローカル線として有名な、JR鶴見線。
近年まで、昭和の頃に製造された車両(205系)が走っていた。
遂に寿命を迎え、2023年冬に新型車両(E131系)が導入されることとなった。
気になったので、乗りに行ってみた。
JR京浜東北線で鶴見へ向かい、鶴見線のホームを目指す。
以前あった改札は撤去され、ピカピカの車両を遠くからでも発見できた。
「顔」とも呼べる正面は、真ん中に貫通扉を設け、水色の枠と黄色・茶色の水玉模様を施したデザインとなっている。
205系は、扉がなく色の付いた部分が少なかった。
デザインが大きく変わった、そんな印象を受ける。
側面は、ドア上と窓下に、それぞれ黄色と水色のラインが引かれている。
205系も、同じ色のラインが引かれていた。ただし、E131系の方が水色の割合が大きいため、前より鮮やかになった印象を受ける。
E131系は、ワンマン運転対応やバリアフリーなど、205系にはない技術が多く搭載されている。
個人的には、乗り心地が改善されたことが印象に残った。
発車時や停車時が、前よりずっとスムーズだ。
また速度を上げる時、205系はモーター音が大きくなったが、新型車両はほとんど変わらない。
その一方、線路が古いため、レールの継ぎ目での振動は相変わらず大きく感じられた。
鶴見線を訪れるのは、3回目だ。
今回は、本線の終点・扇町まで乗った。
レトロな高架下で有名な国道、住宅街の中にある鶴見小野を過ぎて、首都高を潜る。
あっという間に住宅街は姿を消し、工場が並ぶ地帯に入る。
首都高が、異世界への結界に思える。
弁天橋から先は、何かしらの工場が駅前にそびえ立っている。
安善には工場の他、タンク車の停車場もある。
武蔵白石に停車すると、富士電機の工場が目の前に広がる。
浜川崎では、JFEスチールの建物が見える。
この他駅と駅の間にも、無数の工場を見ることができる。
浜川崎と昭和の間には、工場群が建ち並ぶ。
複雑に組まれた金属の建物が、白い煙を小さく出している。その奥の煙突が、白い煙をもくもくと吐き出す。
運河の水面にも、工場の建物が映る。
昭和の次は、終点の扇町だ。
昭和を出ると、先ほども見えた煙突と白い煙が近づいてくる。入道雲のような、大きな煙の塊が空へと登っていく。
あっという間に、扇町に到着する。
Suicaを改札代わりの機械にかざす。
小さなアーチの装飾が、駅を彩る。
野良猫が数匹、集まっている。
人が近づいても逃げず、かといってエサを求めてすり寄っても来ない。
カメラを向けられても、何とも思わないようだ。
猫と戯れる暇もなく、鶴見行きの発車時刻になった。
再びSuicaを機械にかざし、列車に飛び乗る。ドアが閉まったのは、到着してからわずか数分だった。
今回は、新型車両に置き換わってから初めて、鶴見線の本線に乗った。
すっかり変わった車両で、変わらない工場街の趣を味わうことができた。
2024年2月乗車