四日市は、日本初の石油化学コンビナートが建設され、工業で繁栄した町だ。
近年は、工場夜景の名所としても知られている。
「全国工場夜景都市協議会」の四日市のページを見ていて、鉄道も一緒に撮れそうなスポットを見つけた。
個人的には夜景よりも明るい時間の景色が好きなので、休日の昼間に訪れた。
ホームページで紹介されていたスポットのひとつに、大正橋がある。
近鉄四日市駅から、港側に30分歩くと、到着する。
JRの線路が見えてくると、それに沿った道を富田浜方面に進む。
三滝川にぶつかる所で線路をくぐり、港に向かって歩く。
すると、目を見張る光景が広がる。
川の向こうに、様々な形状・高さの煙突がそびえ立つ。
大正橋はもうすぐだ。
橋の歩道に立ち、港側を向く。
細めの煙突が集まっている区域がある。
かと思えば、紅白の太い煙突の隣に、パイプが組まれたタワーもある。
さらに煙突によっては、黒煙と共にフレアスタックを放つものもある。
これぞ工業地帯だ。
港側の景色に圧倒されるが、内陸側にも目を向ける。
関西本線の橋梁と、石油工場のタンク群が見える。
列車が来たタイミングで、シャッターを切る。
オレンジ色の帯を纏った2両の車両と、所々錆びたタンクを、1枚に収めることができた。
関西本線は基本的に短い編成なので、橋を渡る音が聞こえたらすぐにカメラを向ける必要がある。
再び、関西本線の線路沿いの道を四日市駅方面に歩いていく。
大正橋の辺りほどではないが、工場の煙突がそれなりに大きく見えることに気づいた。
早速列車が来たので、カメラを構える。
「ええっ!」
思わずひとりで声を漏らしてしまった。
名古屋方面に去っていった列車は、ハイブリッド車両のHC85系だ。
関西本線では、特急南紀として2023年から使われている。
あまり本数がないので、遭遇するのは難しい。
それだけでなく、工場群でも一際目立つ紅白の煙突と一緒に写すことができた。
JR東海の特急と工場の煙突という、四日市らしさ溢れる1枚が出来上がった。
今回は、工場夜景の名所である大正橋と、関西本線に平行する道で、鉄道を撮影した。
それぞれ違う雰囲気の鉄道×工場の写真が撮れるので、四日市に来た際はどちらも訪れて欲しいと思う。
2024年11月探訪