旅行のイベントで、「全国工場夜景都市協議会」なる団体の存在を知った。
工場夜景に関する情報を発信したり、イベントやコンテストを開催したりする団体だ。
https://kojoyakei.info/area/kawasaki.php
ホームページでは、全国の工場夜景スポットが紹介されている。
川崎市のページを見ていて、鶴見線のすぐ近くをスポットとして勧めていることに気づいた。
扇橋という、運河に架かる橋だ。
「工場と鉄道を、一緒に撮ってみたい。景色がよく見える昼がいいな」
そう思い立ち、行くことにした。
川崎駅の市営バス「三井埠頭」行きに約20分乗り、扇橋というバス停で降りた。
バスを降りると、人がほとんどいないことに気づいた。
道路を走る車も、トラックやタンクローリーなどが多く、自家用車は少ない。
遠くに工場の稼働音が聞こえる以外は、静かだ。
扇橋は、浅野運河と南渡田運河がつながる地点に架けられている。
早速、パイプが骨組みの中に張り巡らされた建物と煙突二本が隣り合った工場を見つけた。
圧倒されつつ、三井埠頭方面へと歩く。
目を見張る光景が現れた。
大小二段からなる、背の高い鉄骨剥き出しの建物。
その奥で、複数の鉄骨組みの建物や煙突が、白い煙を吐く。
白い煙は、風の動きに合わせて刻一刻と流れる方向を変えていく。
穏やかな運河の水面が、空の色を映し出す。
以前鶴見線に乗った際に、一瞬だけ見えた景色だ。
ここ一帯は、昭和電工の工場群だ。
鶴見線の昭和駅に隣接している。
昭和駅には、人がいない。
時刻表を見て、いつ電車が来るかを確認した。
昭和駅の周辺を歩き回っているうちに、電車が来る時間になった。
扇橋に来て、カメラを構える。
先に来たのは、扇町行きだ。
雑草が生い茂る線路を、新しい車両が走っていく。
最後尾に差し掛かった時、昭和電工のタワーと共に映すことができた。
高架下でシャッターを切ったので、やや暗くなってしまった。
しばらく待って次に来たのは、鶴見行きだ。
カーブした昭和駅に停車し、発車する。
日の当たる所で、シャッターを切る。
先頭と昭和電工タワー、そして運河も、一枚に収めることができた。
ピカピカの車両と年季を感じるタワーの、コントラストを感じる。
今回は、工場夜景で有名な扇橋を訪れた。
昼でも昭和電工タワーを初めとする工場群を楽しめて、鶴見線も眺めることができる。
鉄道と工場どちらも好きな人には、是非訪れて欲しいスポットだ。
2024年10月探訪