横浜市は、南北に広い。
縦長の街に、JRや私鉄が何本も張り巡らされている。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/doro/iji/kaoryo/zentai/k-tizu.html
そのため横浜市で生まれ育っても、「この路線には乗ったことがあるが、これは乗ったことがない」といった、偏りがある人が多いと思われる。
私の場合は、相鉄線と市営地下鉄が、乗ったことがない路線に該当する。
ふと、乗ってみることを思い付いた。
今回は、以下のようにルートを組んだ。
横浜→相鉄本線で海老名→二俣川に戻り、相鉄いずみ野線で湘南台→市営地下鉄ブルーラインであざみ野→センター北に戻り、グリーンラインで中山→グリーンラインで日吉→グリーンラインでセンター南→ブルーラインで横浜に戻る
相鉄本線、相鉄いずみ野線、ブルーライン、グリーンラインを、それぞれ完乗する。
運賃を安くするために、それぞれの一日乗車券を使用した。
値段は、相鉄も市営地下鉄も、ともに740円だ(2022年7月時点の値段)。
券売機で一日券を購入し、改札に入る。
相鉄線の横浜駅は、頭端式(行き止まり)のホームだ。長距離の路線ではないものの、旅情を掻き立てる。
ホームの端からは、併走するJR東海道線や横須賀線も見える。
特急海老名行きがやってきた。紺色に全面塗装された、つやつやの車両だ。
西横浜まではJRと併走し、そこから先は大きくカーブして離れる。列車は、住宅街を走っていく。
終点が近づくと畑が増え、「海老名市」の巨大な看板が見える。
海老名に着いて改札を出ると、丹沢の山並みが目に入ってきた。
横浜からわずか30分なのに、この景色の変わり様には驚きだ。
二俣川までは、急行で向かった。いずみ野線ホームに移り、各停湘南台行きに乗る。
どんどん飛ばす特急がある本線とは逆に、いずみ野線はほぼ全てが各停だ。
また本線と違い田園風景はほとんど見られず、最後まで住宅街が続く。
湘南台で改札を出る。
私鉄3路線(相鉄、地下鉄、小田急)が乗り入れるだけあり、駅は広い。
地下鉄の券売機で一日券を買った。
快速あざみ野行きがやってきた。
黒、青、水色の3色遣いが特徴的な、古めかしい車両(3000A形)だ。発車時に、バイオリンを爆音で鳴らすような、野太い音がする。
地下鉄ながら、時折地上を走る。
湘南台周辺の広大な住宅街、上永谷周辺のアップダウンが激しい住宅街、新羽周辺のビルと工場が点在する光景、センター南とセンター北の巨大商業施設が並ぶ景色。
やがて、あざみ野に到着した。
快速とはいえ、全部で約1時間かかった。藤沢市から北上し、横浜市の北側に到達するのだから、無理もない。
あざみ野で改札を出る。お洒落な駅ビルに立ち寄った。
再び、湘南台方面の電車に乗り、センター北を目指す。
今度は、先ほどより新しめの車両(3000S)がやってきた。発車時に、炭酸水がシュワシュワと音を立てるような、細くてかん高い音がする。
センター北で降りて、ブルーラインからグリーンラインに乗り換える。
乗ってすぐ、車両が全く違うのに気が付いた。
グリーンラインの車両は、天井が低く車内の幅が狭い。リニアモーターを使用する関係で、車体を小さくせざるを得ないことによる。
センター北から中山まで乗り、改札だけ通してすぐに日吉まで乗った。
中山は横浜ズーラシア、日吉は慶応義塾大学の日吉キャンパスで、それぞれ有名だ。
グリーンラインで日吉からセンター南まで乗って、ブルーラインに乗り換える。
新横浜で下車して、昼食を取った。さらに横浜まで乗る。
地下鉄から相鉄までは、短時間で移動できる。再び、相鉄のホームにやってきた。
紺色の車両を撮影するためだ。
同じ紺色の全面塗装でも、異なった形状のものが走っている。
高級車のグリルガードを思わせるパーツが付いたタイプ(20000系)、滑らかな曲線を描くタイプ(11000系)、貫通扉が左側にある平べったいタイプ(9000系)を、確認できた。
今回、本来の運賃は相鉄が合計860円、市営地下鉄が1710円だ。
それぞれ740円の一日乗車券を利用したことで、相鉄は120円、市営地下鉄は970円、得することができた。
一日で、東は日吉、西は海老名、さらに北はあざみ野、南は湘南台と、大移動することができた。
相鉄では、所要時間の短さに驚き、ネイビートレインのかっこよさに見とれる。
市営地下鉄では、距離の長さに感心し、多彩な車両を目と耳で楽しめる。
横浜の知らない一面を知ることができる、貴重な一日となった。
2022年7月乗車