御堂筋線は、新大阪、梅田、難波、天王寺といった、大阪を代表する町を結ぶ地下鉄だ。観光に来た人のほぼ全員が利用すると思われる。
御堂筋線の南端・なかもずから出ている私鉄が、泉北高速鉄道だ。
泉北高速鉄道は、大阪府の南側のニュータウン「泉北ニュータウン」と大阪市を結ぶ路線だ。
全6駅で、所要時間は約16分。
南海高野線と直通しているので、なんばまで乗り換えなしで行ける。
なお、なんば~中百舌鳥(なかもず)と中百舌鳥~和泉中央では、後者の方が営業キロが長い。路線図を見ると、逆のイメージを受ける。
車両は、青色を基調としたものが多い。
最も多く見かけるのは、最新車両7020系だ。白地に、水色と青色のラインが引かれている。
また、なんばまで直通する特急「泉北ライナー」には、12000系が使用される。金色のボディにジグザグの青いラインが引かれた、派手なデザインだ。
この他、南海電鉄の車両も多く見かける。
列車は中百舌鳥を出ると、一気にスピードを上げる。
ほとんどカーブのない高架の線路だからか、とにかく速い。
左側に、大きな池・菰池(こもいけ)が見える。木に囲まれて、ここだけ自然の中のようだ。
見とれていると、また別の大きな池・水賀池が現れる。マンションが遠くに見えるくらいの、広い敷地だ。
宅地に広い池がある光景は、珍しい。
深井を出ると、高速道路をアンダークロスする。大阪市内と和歌山県を結ぶ、阪和自動車道だ。高架を走る鉄道よりも、さらに高い位置を走っている。
深井から先、線路は泉北1号線と併走する。左右を自動車が走っていく。列車の方が速いので、何台も追い越していく。
泉ヶ丘に着く。
「次は、とが・みきたです」
アナウンスが流れる。印象に残る駅名だ。
この駅は、当初「栂」地区の駅として「栂」駅になる予定だった。
しかし、駅が設置されたのは「美木多」地区だったので、地元民が「美木多」を駅名に入れて欲しいと要請した。
結果的に、2つを並べることとなった。
その後も、真っ直ぐな線路をすっ飛ばしていく。
赤いアーチが目立つ檜尾(ひのお)大橋を潜る。
光明池に着く。一部の列車は、ここを終点とする。
駅前には、大きなスーパーと、学習塾や医院が入ったビルが立ち並ぶ。ファミリー層が多く暮らしていそうだ。
その後も、住宅街が続く。
和歌山や奈良の山脈が、遠くに見える。
終点・和泉中央に到着する。
駅前には、エコール・いずみという、たくさんの店舗が入ったショッピングモールがある。
JR阪和線の和泉府中や、南海本線の泉大津まで行けるバスが出ている。乗り換えの鉄道路線はないが、便利そうだ。
泉北高速鉄道は、大阪府の郊外の町を、高速で駆け抜ける路線だ。
2023年10月乗車