通勤路線として知られている、JR中央線快速。
武蔵境のホームからは、何やら古い車両が停まっているのが見える。
西武多摩川線だ。
西武多摩川線は、武蔵境から府中市の是政(これまさ)までを結ぶ路線だ。
西武の傘下でありながら、他の西武線とはつながっていない。元々、多摩鉄道という独立した会社だったのが西武に買収されたため、孤立している。
全6駅で、所要時間は12分。
車両は全て、1960年代〜1970年代に製造されたものだ。
今回乗った車両は、西武線らしい黄色に塗装されていた。
途中で、赤とベージュの車両、白と青の車両を見かけた。
どれも先頭が2枚窓で、レトロな魅力がある。
武蔵境を出てすぐに、線路は一本に集約される。
狭い住宅の間を走っていく。
新小金井で列車交換を行ってから、発車する。
宅地から、少し開けたエリアに変わる。
右手を見ると、木々の間から、芝生が見える。左手にも、整備された林と野原がある。
どちらも自然公園だ。
是政方面から見て左手が都立野川公園、右手が都立武蔵野公園となっている。
多磨に着く。
景色が、次第にのどかになっていく。
住宅に混ざって、畑も見られる。
宅地が途切れて畑になった所を、交通量の多い高架が跨ぐ光景がある。
甲州街道だ。
新宿の甲州街道とつながっているとは思えないほど、コンパクトな造りをしている。
白糸台に着く。
ここでも、列車交換を行った。
カーブをいくつか経て、競艇場前に着く。
ボートレース場の最寄り駅だ。午前中だったからか、乗降客はあまりいない。
道路と並行した区間に入ると、あっという間に終点に到着する。
是政の駅周辺は、とても静かだ。
マンションや一軒家に混ざって、飲食店が並ぶ。
付近では多摩川が流れ、大きな塔を持つ是政橋がかかる。
西武多摩川線は、東京であることを忘れさせる、古めかしい車両と単線のゆったり感がある路線だ。
2024年3月乗車