スピードと瀬戸内海沿いの絶景を楽しむ 山陽電車本線

兵庫県を東西に結ぶ私鉄

兵庫県は、日本有数の港町・神戸や、国宝の現存天守がそびえる姫路など、観光地が多い。

神戸と姫路を結ぶ鉄道は、2路線ある。

ひとつは、JR山陽本線だ。新快速で一時間を切るほど速い。

もうひとつは、山陽電車という私鉄だ。JRに比べて知名度が高くないこちらの路線に、乗ってみた。

山陽電車本線って、どんな路線?

山陽電車は、姫路市から神戸市までを結ぶ私鉄だ。

神戸市に入ると、阪神電車に直通する。

大阪梅田まで乗り入れている。

速さが売りのJR山陽本線に対し、山陽電車は地域輸送に特化している。

山陽姫路から西代までが、本線となっている。

本線の他、山陽網干から飾磨までを結ぶ、網干線もある。

今回は、本線を完乗した。

赤帯が特徴の、元気な印象の車両

車両は3種類ある。

早い種別に使われているのは、ステンレスに赤い帯が特徴の5000系と、ドアも赤く塗装された6000系だ。

赤色は鮮やかで、山陽の明るい雰囲気を連想させる。

主に普通列車に使われているのは、クリーム色をベースに赤と黒の帯が伸びる、3000系だ。

レトロな印象を受ける。

住宅街時々田園の山陽姫路~飾磨(しかま)

山陽姫路駅は、山陽百貨店の中にある。

発車すると、山陽新幹線の高架を潜り、高架から地上に下りる。

住宅が左右に並ぶ。

一軒家が多い印象を受ける。

時々、広い水田も見られる。

右側から網干線の線路が合流すると、90度近いカーブに差し掛かる。

飾磨に到着する。

トンネルもカーブも多い飾磨~大塩

飾磨を出てからは、宅地と山が交互に現れる。

小さな山を、トンネルを通して抜けていく。

近い地域を走るJRは、トンネルが全くない。全く違う印象を受ける。

のどかな景色の地帯を、高速で駆け抜けて行く。

起伏に富んだ大塩~明石

大塩辺りより東側は、山が少ない。

列車は加古川を渡り、商業施設が点在する地域を走っていく。

高架になったり地上になったりするため、アップダウンが激しい。

それでも基本的に、スピードを落とさない。

右手に、明石海峡大橋が見えてくる。

JRと並走する明石~舞子公園

明石の手前で、左側から線路が近づいて来る。

JR山陽本線だ。

明石から須磨まで、並走区間が続く。

しばらくすると、右側に西国街道が寄ってくる。

左では列車が走り抜け、右では自動車が通り過ぎてゆく。

迫力ある光景を楽しめる。

舞子公園の手前で、JRを跨いで勾配を登る。

直前で、右手に明石海峡大橋が大きく見える。

瀬戸内海を臨む舞子公園~山陽須磨

舞子公園を発車するとすぐに、明石海峡大橋に通じる高架を潜る。

下りの勾配を経ると、JRの線路が右側に現れた。

線路の高さは段々変わっていき、山陽電車の方がぐんと高い位置になる。

青い海が、右手に広がる。

水面の向こうに、神戸のポートアイランドや空港が見える。

線路の位置は、低くなったり高くなったり、変化する。

やはり速さは変わらない。

どの高さでも、海の青さが眩しい。

六甲山を眺め、地下に潜る山陽須磨~西代

山陽須磨からは、内陸に入る。

町並みの向こうに、六甲山が見える。

神戸が近いのが分かる。

東須磨を出ると、地下へと潜っていく。

最後の駅・西代は、山陽電車と阪神神戸高速線の境目の駅となっている。

さらに元町まで乗ると、洒落た町が待っていた。

まとめ

山陽電車本線は、カーブや勾配にも負けないスピードと、様々な高さからの瀬戸内海の絶景を、楽しめる路線だ。

2023年8月乗車