日暮里は、下町エリアと再開発エリアに挟まれた駅だ。
この駅からは、日暮里・舎人ライナーという新交通システムが出ている。
JRや京成に比べると、駅舎は小ぢんまりとしている。
日暮里・舎人ライナーは、都営交通が運営する、新交通システムだ。
荒川区の日暮里と、足立区の見沼代親水公園を結ぶ。
足立区西部の交通渋滞を緩和させるために計画され、2008年に開業した。
全13駅で、所要時間は20分。
車両は3種類ある。
今回は、そのうちの2種類を見かけた。
行きで乗ったのは、2番目に新しい330形だ。
塗装が少ないものの、グリーンとピンクが目立つ。
帰りに乗ったのは、最も古い300形だ。
グリーンとピンクのラインが、車両を貫く。
公式サイトによると、グリーンは「沿線の自然」、ピンクは「街の活性化」を、表現しているとのこと。
日暮里を発車すると、すぐに加速する。
左右は、マンションやオフィスビルに囲まれている。
4、5階に相当する高さを、走り抜ける。
東京らしい景色といえる。
赤土小学校前までは、ビルに隙間なく囲まれた景色が続く。
熊野前に差し掛かると、少し開けてくる。
この駅では、都電荒川線と90度で交わる。
見下ろすと、レトロな車両が停まっているのが見えた。
熊野前を過ぎると、高架が登り勾配になる。
隅田川を渡っていく。
遥か西に、山々が見える。
足立小台に到着する。
駅舎は、川に挟まれた中洲のような土地にある。
発車すると、列車は引き続き坂を登っていく。
荒川は隅田川よりも広く、渡るのに時間がかかる。
最高地点に達すると、町並みが見渡せる。
ビルはほとんど姿を消し、一軒家や低層マンションが並んでいる。
勾配は下りに変わり、扇大橋に到着する。
その後は、住宅の多いエリアを走っていく。
時折、大きなスーパーやファミレスを見かける。
暮らしやすそうな印象を受ける。
高架はほとんど直線で、速度がよく出る。
不意に、木々が生い茂る光景が現れる。
丸々とした緑の木が、規則的に並ぶ。
舎人公園に停車する。
この公園には、広大な林と大きな池がある。
季節によっては、鴨を間近で見ることもできる。
列車は、終点・見沼代親水公園に到着する。
住宅街の向こうに、山並みが見える。
駅の周囲には、ファミレスとドラッグストア以外に目立つ建物はない。
北へ歩いてみる。
すぐに、埼玉県に入った。
山手線の駅と埼玉県が、この路線のおかげで、近く感じられる。
日暮里・舎人ライナーは、ビル街、川、住宅街を、高い位置から眺められる路線だ。
2023年7月乗車