中央線の立川からは、東京都とは思えない景色が楽しめる路線が伸びている。
青梅線と、途中の拝島から分岐する五日市線だ。今回は、五日市線に乗った。
五日市線は、拝島から武蔵五日市までを結ぶ路線図だ。
大正時代に多摩の石灰石を運搬するために、建設された。
全7駅で、所要時間は約20分。
五日市線では、中央線と同じE233系が使用されている。銀色のボディに、オレンジ色の帯が付いている。
高層ビルの間を駆け抜ける車両と同じ車両が、畑や森の中を走っていく。
拝島を出てすぐは、宅地が広がっている。
しかし、単線のレールや山脈の近さから、のどかな地域に入ったことが感じられる。
戸建て住宅に囲まれた、熊川に着く。
発車してしばらく進むと、多摩川の鉄橋が見えてくる。
橋の向こうには、青々とした山並みが見渡せる。
流れの険しい川を渡り、再び戸建て住宅に囲まれた地域を走っていく。
東秋留に到着する。
宅地を進んでいると、背の高い東横インが見えてくる。
飲食店などもあるのが分かる。
この路線で一番栄えている、秋川に着く。
秋川を過ぎてしばらくすると、景色が一変する。
住宅が減り、広い畑が遠くまで伸びる。
畑の向こうには、川と山々が見える。
緑色の鉄骨と赤い太陽のマークの、大観覧車が立つ。東京サマーランドだ。
夏にCMで見る遊園地を横目に、武蔵引田に停車する。
列車は、畑と住宅の間を走っていき、武蔵増戸(ますこ)に着く。
武蔵五日市に向けて、景色はどんどん山がちになっていく。
平らな住宅街から、斜面に住宅が立つ光景に変わる。
南に大きくカーブし、アーチを描く橋を渡り、武蔵五日市に着く。
この駅は、秋川渓谷の最寄り駅になっている。
ハイキングにやってきた人々が、バスに乗っていく。
山に囲まれた地域ながら、駅前は整備されていて、車の往来が多い。
駅の近くには、秋川が流れる。
川の付近には住宅が多く、活気が感じられる。
五日市線は、東京都ながら自然を味わえる、短い路線だ。
2023年11月乗車