静岡市は、富士山を間近で見ることができる町だ。
静岡鉄道は、静岡市の中心部を走る。
JR静岡駅から、賑やかな街を約10分歩く。
ショッピングモール・新静岡セノバを抜けてすぐに、新静岡駅の改札が見えてくる。
静岡鉄道は、新静岡と新清水を結ぶ私鉄だ。
1908年に、茶葉を清水港へ輸出するために作られた。
全部で15駅あり、所要時間は約25分。
日中は10分に1本程度の本数なので、気軽に乗れる。
使用されている車両(A3000形)は、2016年に導入された新しいものだ。
7色のバリエーションがある。
今回は、「Fresh green」という、黄緑色の車両に当たった。
ドアと上部は白く、それ以外にカラーリングが施されている。
新静岡を出てしばらくは、オフィスビルや商業ビル、住宅が集まった地域を走っていく。
5つ目の駅・柚木(ゆのき)に着くと、前面に圧倒的な景色が映る。
富士山だ。
裾の方まで、しっかりと見渡せる。
他の山脈も高いが、それらよりずっと大きいのが分かる。
次の駅・長沼でも、進行方向に富士山を見ることができる。
この駅は車両基地が併設されている。
乗っている新しい車両の他、古い車両も目にすることができた。
10駅目の草薙の辺りまで、富士山に向かって突き進む感覚を楽しめる。
11駅目・御門台(みかどだい)を出発すると、左手から高架が近づく。
JR東海道線の線路だ。
12駅目の狐ヶ崎に着く頃には、線路は並行になっている。
停車する静鉄の横を、JRが高速で通過する。
たまに、貨物も走っていく。
JRの方が線路の敷地が広く見えるが、実際は静鉄も複線なので、同じくらいの規模だ。
入江岡まで、JRとぴったりくっついて走る。
入江岡を出ると、JRの線路と離れる。
巴川を渡り、終点・新清水だ。
改札の先には、飲食店が点在する大通りがある。
新静岡ほど高い建物はないが、住宅が集まり、栄えている。
JRの清水までは、歩いて約10分かかる。
静岡鉄道は、ほどよく都会的ながら富士山も楽しめる、ちょうどいい鉄道だ。
2023年1月乗車