松戸は、千葉県で利用者の多い駅のひとつだ。
常磐線快速で、上野まですぐ出られる利便性も評価されている。
そんな松戸は、新京成線という私鉄路線の起点となっている。
新京成線は、松戸と津田沼を結ぶ私鉄路線だ。
京成電鉄の子会社・新京成電鉄が運営している。なお2025年には、京成電鉄に吸収合併される。
かつて戦前・戦中に陸軍の鉄道連隊が使っていた演習線が、旅客路線に転用された歴史がある。その名残で、カーブがたくさん設けられている。
ロゴマークも、カーブがモチーフとなっている。
全線乗ると、約50分かかる。
新京成線では2014年頃から、コーポレートカラーの「ジェントルピンク」が、車両に使用されるようになった。
新しい車両の側面は、上半分がステンレス、下半分が白とピンクの帯となっている。
古い車両の側面は、一部がピンク、それ以外は白で塗装されている。
生活感の強い路線に、華やかさをもたらすデザインと言える。
列車は松戸を発車するや否や、大きなカーブに差し掛かる。
曲がり終えたのもつかの間、また別方向のカーブが見えてくる。
隣の駅・上本郷には、あっという間に到着する。
宅地の中をくねりつつ抜けて、すぐにまた次の駅に着く。
駅の先の軌道は、やはり曲がりくねっている。
次の駅も、また違う方向のカーブが伸びている。
対向車両が来ると、直線よりもきれいな姿を見ることができる。
車内を見ると、つり革がずっと揺れている。定位置に留まらない。
列車がくぬぎ山を発車すると、右手に車両基地が見えてくる。
くぬぎ山車両基地という。
通過しただけでも、5編成を目にすることができた。
古いものから新しいものまで、統一感のある色合いと異なったデザインを、短時間ながら楽しめる。
列車が北初富に近づくと、地上区間だったのが上り坂になる。
高架区間に入る。
それまで戸建ての宅地が多かったのが、高いマンションや大きな商業施設も見られるようになる。
北初富、新鎌ヶ谷、初富と、近年開発が進んだと見られる町を走っていく。
曲線的な区間が多いのは、地上区間と変わりない。新鎌ヶ谷と初富の間には、90度近いヘアピンカーブがある。
初富を出て、高架の線路はぐるりとカーブを描く。
下り坂になり、地上区間になった。
沿線の建物も、戸建てを中心とする住宅が増えた。
所々で、対向車両とすれ違う。
大手私鉄に劣らず、本数が多いのが分かる。
列車が終点に近づくと、行く先に高層ビルや商業施設が見えてくる。
建物の密集度合いも上がっていく。
右手にビルが並ぶ、カーブした線路を走る。
新津田沼に到着する。
ほとんどの乗客は、終点ではなくここで下車した。JRと乗り換えができる。
イトーヨーカドーやイオンがあり、駅前の通りも栄えている。
終点に向けて進んでいくと、線路が2本から1本に減っていた。
わずか1駅間だけ、単線となっている。
最後にS字カーブを描いて、京成津田沼に着く。
こちらでは、京成線と乗り換えができる。
駅前にはこれといった商業施設はなく、静かだ。
新京成線は、鮮やかな色の車両が、急なカーブだらけの線路を走る路線だ。
2024年4月乗車