京成本線は、上野と成田空港を結ぶ。
成田空港寄りにある小さな駅・ユーカリが丘からは、新交通システムが出ている。
山万ユーカリが丘線という。
山万ユーカリが丘線は、千葉県佐倉市にある新交通システムだ。
ニュータウンを巡回する鉄道として、1982年に開業した。不動産会社・山万が運営している。
路線はラケットのような形状をしている。直線の区間と半時計回りの環状の区間がある。
全6駅で、所要時間は約15分。
車両は、下に向かって広がる形状をしている。運転席のある部分は、弧を描くように丸くなっている。
黄みがかった白色の車体を、ユーカリを思わせる緑色の帯が貫く。
「こあら1号」と、愛称が付いている。
発車すると、低音のモーターが「ウウ〜ン」と唸る。車輪がレールの上を、ガタガタと音を立てて進んでいく。
新交通システムにしては、古い特徴が見受けられる。
前面がほとんど見えない車両構造のため、右側の窓から景色を見た。
ユーカリが丘駅の前に立つ、予備校などが入ったビルを抜けていく。
建物が点在する宅地を走り抜ける。
自動車販売店が目の前に建つ駅、地区センターに到着する。
発車し駅を去ると、カーブして住宅街を走っていく。洒落た一軒家が多い。
緑の多い公園に差し掛かると、列車が停車する。
駅の名も公園だ。
直線区間から環状区間に入り、女子大に停車する。
女子大という駅名に反して、駅の近くに大学はない。
設立当時は女子大が移転する計画があったが、計画が頓挫したため、このような状態になっている。
起点のユーカリが丘駅から最も遠い駅が、中学校だ。名前の通り、佐倉市立の中学校が付近に建っている。
この他、高架から田園地帯を眺められる場所もある。
ユーカリが丘に方向を変え、緑の多い宅地を走る。高架が高くなっていき、見晴らしがよくなる。
近くには一軒家が並び、遠くにはタワーマンションやショッピングセンターがあるのが分かる。
井野に到着する。
井野を出て、直線区間に戻ってきた。
公園に停車する。
先ほどとは違い、石と木々が規則的に配置された広場を見つけた。
地区センターに近づくと、ショッピングセンターが井野の辺りよりも近くに見える。
生活に困らなそうだ。
ユーカリが丘駅の手前にも、スカイプラザというショッピングセンターがある。
ホームに差し掛かると、先ほどは見えなかった大きなホテルの存在にも気が付いた。観光地にありそうなシティホテルだ。
山万ユーカリが丘線は、生活感が漂うエリアを古参の新交通システムで走る路線だ。
2023年8月乗車